業部会 業務お得情報⑨

雇用保険の離職理由の取り扱い変更について

  労働契約法18条の無期転換ルールは平成25年4月1日以降に開始した有期労働契約に適用されるため、5年経過した本年4月から無期転換申込権の発生が本格化します。一方で、無期転換申込権が発生する前に雇止めする事案も報道されています。
このような中、雇用保険の手続き関係において、平成30年2月5日以降、有期雇用労働者の離職理由の取り扱いが変わりました。該当する離職者の給付内容に影響がありますので注意が必要です。
そこで、今回は離職証明書(離職票)記載方法の変更等についてご紹介します。


1.対象となる労働者

契約更新上限(通算契約期間や更新回数の上限)がある有期労働契約の上限が到来したことによる離職で、次の①~③のいずれかに該当する場合
採用当初はなかった契約更新上限がその後追加された人、
または不更新条項が追加された人
②採用当初の契約更新上限が、その後引き下げられた人
③基準日(※改正労働契約法の公布日である平成24年8月10日)以後に締結された4年6ヶ月以上5年以下の契約更新上限が到来した(定年後の再雇用に関し定められた雇用期限の到来を除く。)ことにより離職した人。ただし、基準日前から、同一事業所の有期雇用労働者に対して、一様に4年6ヶ月以上5年以下の契約更新上限が設定されていた場合を除く。


2.現在の様式における離職証明書の「⑦離職理由欄」の記載方法

記載例の1のように、丸印を付けた箇所に記入します。
◆ まず、「3 労働契約期間満了等によるもの」の
「(1)採用又は定年後の再雇用時等にあらかじめ定められた雇用期限到来による離職」を選択

◆ その上で、便宜的に「(2)労働契約期間満了による離職」中の
「1回の契約期間、通算契約期間、契約更新回数」 に契約に係る事実関係を記載
《記載例》 (1回の契約期間 12箇月、通算契約期間 48箇月、契約更新回数 3回)

◆ 最下部の「具体的事情記載欄(事業主用)」には、以下のいずれか該当するものを記入(※)
「① 上限追加」
「② 上限引下げ」
「③ 4年6ヶ月以上5年以下の上限」
*e-Govからの電子申請の場合については、リーフレット「事業主の皆様へ」に注意事項が記載されていますので参照してください。

<参考>東京労働局ホームページ:雇用保険関係「お知らせ」より(リーフレット「事業主の皆様へ」)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0147/4196/2018226104749.pdf


3.給付内容への影響

対象となる離職者(上記1の①~③のいずれかに該当する場合)については、条件により、特定受給資格者または特定理由離職者として、離職証明書の区分は以下のようになります。(詳細は雇用保険に関する業務取扱要領を参照してください。)

(ア)契約更新をすることが常態として雇用されている場合
   具体的には、契約が3年以上,かつ契約更新1回以上の場合 ➡ 2A(特定受給資格者)
(イ)契約更新をすることが常態として雇用されているとは解されない場合
   具体的には、(ア)に該当しないもの ➡ 2C(特定理由離職者)


4.様式(離職証明書・離職票)やリーフレットの変更等について

雇用保険法施行規則が改正され、有期雇用労働者の雇用期間や更新回数の上限等の情報を把握するため、離職理由記載欄の項目が追加される予定です(雇用保険施行規則の一部を改正する省令公布日で平成30年3月30日の予定)。
 そして、新様式の離職票や今回の内容が反映されたリーフレット(特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準)は、6月末以降に準備される見通しです。
 本記事は平成30年3月19日現在の情報に基づいて作成していますので、最新情報をご確認ください。


開業部会 片岡正美