開業部会 業務お得情報⑥

開業部会 業務お得情報⑥

 今回は、育児休業の再延長に伴う雇用保険の「育児休業給付金」の取扱いを取り上げます。
平成29年10月1日から育児介護休業法の本年2度目の改正が行われ、最長2歳に達するまで、保育所に入所できない等の事情がある場合に再延長ができるようになりました。
再延長の際の必要事項とQ&A方式で一部就業をした場合の申請について説明します。


■再延長に際して、「育児休業給付金」の申請手続きに必要な追加書類について

①不承諾通知書・・・
1歳6カ月の時点で保育園等に入園できない証明書が「新たに必要」です。希望する入園日は、1歳6カ月に達する日より早くなければなりません。市区町村によっては、そのタイミングで募集を行ってない所もあるようですので、その場合は、証明書を別に発行するようですので、相談するようご案内してください。
<例>29年1月1日に生まれた者の1歳6カ月に達する日とは30年6月30日です。


②雇用期間に関する確認書……下記URLで取得ができます。
http://kagawa-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0111/8041/201776104627.pdf
期間の定めの無い場合は、「定めなし」にチェックをすれば終わります。期間の定めが有る場合は、「定めあり」にチェックをしてその時点での契約書の最終日を記入し、(更新予定 あり/なし)を記載します。復帰あってこその育児休業給付ですので、更新予定 あり となるでしょう。会社の代表者印と給付金申請者の押印欄がありますので、①と同時に準備が必要になります。


■一部就業をした場合の支給申請の方法

あくまで臨時の就業が前提ですが、延長に伴い一部就業のご連絡をいただくケースも増えてきました。一部就業の際の給付金申請手続きのポイントをQ&A形式で説明します。
※平成26年10月1日から支給単位期間中に10日を超えて一部就業をした場合でも就業していると認められる時間が80時間以下の時(全日休業日が1日は必要です)は育児休業給付金が支給されることになりました。(一部就業の賃金が、育児休業開始から6カ月経過以降の場合は、休業開始時賃金日額×支給日数の30%以下の場合、全額支給されます。その他のケースは要確認)



Q.
「支給単位期間」とは?
A.
その者の育児休業を開始した日から起算した1カ月ごとの期間です。「賃金計算期間」とは違いますので、日数や時間をカウントするときに注意してください。うっかり、「賃金計算期間」で日数や時間をカウントしないように事業所の方にも説明してください。

Q.
「支払われた金額」とはいったいつの賃金の事なのか?
A.
「支給単位期間」中にある給与支給日に実際に支払われた賃金になります。この賃金は「賃金計算期間」で計算した金額ですので、「支給単位期間」の日数や時間に応当した金額ではありません。支給申請書では、ほぼ、「就業日数と就業時間」が「賃金支払額」と応当していないので、違和感を覚えます。

Q.
就業していると認められる時間が80時間以下とあるが、記載欄は分単位がない。どうすれば良いのか?
A.
切り上げとなります。
一支給単位期間に就業していると認められる時間を合計した際に生じた分単位の端数は切り上げを行います。このため、就業開始から就業終了までの時間から休憩時間等就労を行っていない時間については差し引く必要があるとともに一支給単位期間に就業していると認められる時間が80時間を分単位で超えた場合には、81時間となるため注意する必要があります。

Q.
支給単位期間中に1日1時間で、27日分。就業時間は27時間であるが、給付は可能か。
A.
可能です。
就業していると認められる時間が80時間以下、全日休業日1日以上で要件を満たしています。

Q.
最終支給単位期間で、1カ月に欠ける場合の出勤日数や就業時間の基準はどうなっているか?
A.
その場合でも、10日。10日を超えても80時間以下です。
締め日後に給与を支払う場合は、ずれているので、最後の賃金は反映されない場合が多いです。実際の例で、最終期間が3日でその中の1日出勤しましたが、10日以下と言う事で、3日分の給付金が支給されました。理論上は最後の期間が11日有り、10日分働いたとしても、全日休業日が1日有りますので給付金は11日分支給されるでしょう(理論上の話です)。

Q.
電子申請の場合、一部就業の場合、出勤簿や賃金台帳の添付は必要か?
A.
照合省略の手続きを取っているので、その場合でも不要です。

Q.
一部就業した場合の給与に対する雇用保険料は?
A.
保険料は賃金の支払いのつど預かります。

しくじり先生のしくじり話:
延長期間中、職場復帰の連絡が無かったため、続行と思い込み、機械的に申請を行ってしまった直後に復帰が判明し、3日間余分に支払われてしまいました。
この訂正方法は、本人に一度全額返金していただかなければなりません。過誤払金返納通知書や納付書が届きますので、本人に振込作業をしていただくなど負担をかけることになってしまいました。その後、新たに正しい期間で申請をして、再度給付金が支給されるという形になります。
支給申請期間の勤怠状況の確認をおろそかにしてはならないと肝に銘じました。

おまけ:
※ 育児休業の延長に伴い、社会保険料の免除申請もその都度行うことになりますので、失念しないよう注意しましょう。



以上
開業部会 細川宏美