開業部会業務情報⑨

平成28年度 健康保険法の改正について

 平成28年度健康保険法の改正について、要旨をまとめました。
 既にご周知のことと存じますが、業務に深い関係があることなので、今一度ご確認頂けます様お願い致します。


<平成28年4月1日施行>
【標準報酬等に関する改正】

●協会けんぽの健康保険料率が3月分(4月納付分)から改定されます。

 ○都道府県保険料率(抜粋)の前年度との比較
  都道府県名 H27年度→H28年度(いずれも%)
   茨城   9.92→9.92
   埼玉   9.93→9.91
   千葉   9.97→9.93
   東京   9.97→9.96
   神奈川  9.98→9.97
   大阪   10.04→10.07
   福岡   10.09→10.10

 ○介護保険料率は1.58%と改定はありません。

 ★給与計算時の注意
  通常の給与計算の場合:締日と支払日、当月徴収・翌月徴収の関係で料率の切り替えが変わります。
  賞与計算の場合   :翌月徴収の会社であっても、3月に賞与を支給した場合、3月から新保険料率になります。
  退職者の給与計算  :3月末日付退職者で、2月分及び3月分の健康保険料を3月に控除する際、3月分は新保険料率になります。


●標準報酬月額の上限が引き上げられます。

 ○現在は、「121万円」が上限ですが、この上位に3等級区分が追加されます。
  追加される区分
   127万円(報酬月額123.5万円以上129.5万円未満)
   133万円(報酬月額129.5万円以上135.5万円未満)
   139万円(報酬月額135.5万円以上)

 ○上記報酬月額に該当する場合でも、平成28年4月時点での届出は不要です。
 ○前年の定時決定またはその後の随時改定により、保険者側が職権で改定します。
 ★ただし、次のいずれにも当てはまる場合は、特例的な随時改定が行われます。
  ・前年の定時決定後、固定的賃金に変動がある
  ・ところが、標準報酬月額に2等級以上の差が生じないため、随時改定の対象とならなかった
  ・そのため、平成28年4月に適用される標準報酬月額と、実際に受けている報酬との間に乖離が生じる

 ★一事例
 H27年算定:報酬130万円、標準報酬月額:1210千円
 H28年1月より:報酬120万円
 平成28年4月に適用される標準報酬月額:1330千円
 平成28年1月~3月の報酬を算定基礎とし、改正後の新等級表に当てはめる:標準報酬月額:1210千円
 ↓
 申し出により、特例的な随時改定となり、標準報酬月額:1210千円

 ★上記は、年金事務所に確認をしたものです。他の事例もありますので、詳細は年金事務所にお問い合わせください。



●標準賞与額の上限が引き上げられます。

 ○年度(4月1日から翌年3月31日まで)の標準賞与額の累計額の上限について
  改正前 540万円
  改正後 573万円



【保険給付に関する改正】

●傷病手当金、出産手当金の支給額が見直しされます。


  改正前 休んだ日の標準報酬月額をもとに支給額を計算
  改正後 支給開始日の属する月以前の継続する12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額をもとに
      支給額を計算



<平成28年10月1日施行>
【適用に関する改正】

●短時間労働者の適用が拡大されます。


 ○要件
  1.常時労働者501人以上使用する事業主が対象。
  2.1週間の所定労働時間数が20時間以上。
  3.継続して1年以上勤務が見込まれること。
  4.報酬月額が88,000円以上。
  5.学生でないこと。



●兄姉の被扶養者認定における同居要件が撤廃されます。


 ○現在の要件
  収入要件、かつ同居要件
 ○改正後の要件
  収入要件、かつ生計維持要件

健康保険料率の改正、保険給付の改正等の詳細
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3130/h28/280203
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/home/g3/cat320/seidokaisei280201




外国人の在留資格と就労

 新入社員を迎え入れる季節となりましたが、昨今外国人の就労も多く見かけるようになりました。
外国人の方を雇い入れる場合は就労が認められるかどうか確認は当然ですが、在留カードの期限についても厳格な管理が必要です。
また、退社時にも雇用保険の提出書類には在留資格や在留期限の記載欄がありますので、複数外国人の方が働いている場合はリストにするなどして常に注意をして頂くよう指導しましょう。



(1)在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格17種類

外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習、高度専門職



一般の事業所で多いと思われるもの
技術・人文知識・国際業務 :コンピューター技師、自動車設計技師、通訳、語学の指導、為替ディーラー、デザイナー等
企業内転勤        :企業が海外の本店又は支店から期間を定めて受け入れる社員
              (活動は、「技術・人文知識・国際業務」に掲げるものに限る。)
技  能         :中華料理・フランス料理のコック等



(2) 原則として就労が認められない在留資格 5種類
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在


①資格外活動の許可を得れば、「留学」の在留資格をもって在留する外国人の方については原則として1週28時間まで就労することが可能となります。証印シール、在留カードの裏面にその許可の要旨が記載されていますので確認してください。
また、その方が在籍する教育機関が夏休み等の長期休業期間中については、1日8時間まで就労することが可能となります。

※長期休業期間は学校によって定められている期間ですので注意してください。 「1日8時間以内」「週40時間以内」「1週間に1日以上の休日」を厳守
※留学生としての資格は卒業するまでとなり、在留カードの在留期限と一致するものではありません。
卒業をした時点で留学ビザの活動を行っていないことになりますので、その資格外活動であるアルバイトも行ってはいけません。最近は、アルバイトの有無や時間の超過など、以前より厳しくみられるようになりましたので注意が必要です。
※学校を卒業して就職先が決まらない場合でも、卒業前から行っている就職活動を継続するための「特定活動」の在留資格をもって在留する方も、資格外活動許可を受けることが可能になりました。


②資格外活動の許可を得れば「家族滞在」の在留資格をもって在留する外国人の方についても、原則として1週28時間まで就労することが可能となります。
◆なお、これらの方にあっては、風俗営業等に従事することはできません。
◆就労時間は必ず守ってください。



(3)就労の可否は指定される活動による資格 1種
特定活動


外交官等の家事使用人、ワーキング・ホリデー、インターシップ等
パスポートに貼付された指定書に指定された就労のみが認められます。その他、複雑多岐に渡るので、よく確認をしてください。



(4) 就労活動に制限がない在留資格 4種類
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者


これらの在留資格をもって在留する外国人の方は就労活動に制限はありません。
永住者以外、在留期限がありますので、在留期間は必ず把握してください。



開業部会  小室文菜 細川宏美


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