知って得するお役立ち情報2022 ②

---2022年6月施行 改正公益通報者保護法について---


2022年6月1日に改正公益通報者保護法が施行されます。改正内容と講ずべき措置について情報提供いたします。


■公益通報者保護法の主な改正内容6つ

1. 公益通報対応体制整備義務と公益通報対応業務従事者指定義務の創設(従業員300人以下の中小事業者は努力義務)
2. 公益通報対応業務従事者に対する刑事罰のある守秘義務の創設
3. 行政機関公益通報、外部公益通報の保護要件の緩和
4. 公益通報者として保護される者の拡大
5. 公益通報として保護される通報対象事実の拡大
6. 公益通報者としての保護の内容の拡大



【1.公益通報対応体制整備義務と公益通報対応業務従事者指定義務の創設】※従業員300人以下の事業者は努力義務
公益通報対応体制の整備は、通報窓口の設定、適切な社内調査、是正措置、通報を理由とした不利益取扱いの禁止、通報者に関する情報漏えいの防止、内部通報規程の整備・運用などが挙げられます。
公益通報対応業務従事者とは、公益通報を受け、社内調査を行い、是正措置をとる業務に従事する者をいいます。



【2.公益通報対応業務従事者による刑事罰のある守秘義務の創設】
法律上の守秘義務を負う従事者や従事者であった者は、公益通報者の氏名、社員番号など公益通報者が誰であるか認識することができる事項を、正当な理由なく漏らしてはなりません。
もし法律上の守秘義務に違反してしまった場合には、その従事者は、30万円以下の罰金に科せられる場合があります。従業員の数が300人以下の中小事業者については、従事者の指定は努力義務ですが、従事者を指定した場合、その指定された従事者は法律上の守秘義務を負うことになります。



【3.行政機関公益通報、外部公益通報の保護要件の緩和】
行政機関公報通報、外部公益通報のそれぞれについて保護要件が緩和され、内部の問題を外部に申告するハードルが下がりました。



・行政機関公益通報の保護要件

改正前 改正後
通報対象事実が生じ、または生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合 改正前事項 or 通報対象事実が生じ、または生じようとしていると思料し、通報者の氏名等を記載した書面を提出する場合

●外部公益通報の保護要件(追加内容)
• 事業者が通報者を特定させる事項を正当な理由なく漏らすと信ずるに足りる相当の理由がある
• 財産に対する回復困難または重大な損害が発生し、又はその急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある



【4.公益通報者として保護される者の拡大】
公益通報者として保護される者の範囲が広がりました。以下の該当者が新たに対象範囲として含まれました。
• 1年以内に退職した労働者
• 1年以内に終了した派遣労働者
• 1年以内に退職・終了した当該他の下請事業者や取引事業者の労働者・派遣労働者
• 役員+下請事業者や他の取引事業者の役員



【5.公益通報として保護される通報対象事実の拡大】
従来の刑事罰の対象となる犯罪行為の事実に加え、「過料(行政罰)の理由となる事実」が通報対象事実として追加で加わりました。



【6.公益通報者としての保護の内容の拡大】
公益通報者として受けられる保護内容に以下2点が追加で加わりました。
1. 公益通報を理由とした労働者派遣契約の解除の無効
2. 公益通報者に対する公益通報を理由とした損害賠償請求の禁止

消費者庁HPに改正内容の詳細が掲載されています。

・消費者庁HP
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/

・公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和2年法律第 51 号)に関するQ&A
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/overview/assets/overview_210826_0001.pdf

千代田統括支部 開業部会 林孝行

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