知って得するお役立ち情報⑥

---法改正情報---


令和3年6月に育児・介護休業法、雇用保険法、健康保険法が改正されました。令和4年4月1日から段階的に施行されます。今回は、順次施行される育児・介護休業法を中心に改正内容をまとめてみました。


育児・介護休業法
(令和3年6月9日公布)

現行

改正後

育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
(令和4年4月1日施行)

労働者本人またはその配偶 者が妊娠・出産したこと等を知ったときに育児休業等に関する定めを個別に周知することが事業主の努力義務

労働者本人または配偶者の妊娠・出産等について労働者から申し出があったときは当該労働者に対して育児休業に関する制度等について知らせる(個別の周知)とともに、育児休業等の取得の意向を確認するための面談等の措置(取得意向の確認)を講じることが事業主に義務付け

〇育児休業を取得しやすい
雇用環境整備の義務付け
1.育児休業に係る研修の実施
2.育児休業に関する相談体制の整備(相談窓口の設置等)
3.雇用する労働者の育児休業の取得に関する事例の収集及び事例の提供
4.雇用する労働者に対する育児休業に関する制度及び育児休業取得の促進に関する方針の周知

育児休業の見直し
有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
(令和4年4月1日施行)

a−事業主に引き続き雇用された期間が1年以上の者
b−養育する子が1歳6か月に達する日まで(介護休業は休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日まで)に労働契約が満了することが明らかでない者

←a の要件が廃止されます。
※子が1歳から1歳6か月と1歳6か月から2歳までの間の育児休業の延⻑についてもaの要件は廃止されます。但し、労使協定で有期・無期にかかわらず、勤続1年未満は除外としている場合は改正後も有効

育児休業の見直し
育児休業の分割取得
(令和4年10月1日施行)

育児休業は原則子1人につき1回
ただし、子の出生後8週間以内にした最初の育児休業(パパ休暇)については1回のカウントに入らない
新たな産前産後休業開始で育児休業が終了したが、当該子(新たな産前産後の子)が死亡したことや、配偶者の死亡・疾病・負傷等の特別な事情があるときは再度の休業が可能

理由を問わず2回まで分割取得が可能
3回目の取得は現行法と同様特別な事情があるときは可能

育児休業の見直し
1歳到達日後の育児休業の見直し
(令和4年10月1日施行)

1歳から1歳6か月までの育児休業は子が1歳に達する日の翌日
1歳6カ月から2歳までの育児休業は子が1歳6カ月に達する日の翌日に開始日を限定

原則は現行どおり
配偶者が育児休業をしている場合『配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前の日』を開始予定日とすることが可能

男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設『出生時育児休業』
(令和4年10月1日施行)

休業の申出期限は原則1か月前まで
育児休業中の就労については、労使合意の下、あくまで一時的、臨時的な就労に限り可能

子が1歳に達するまでの育児休業とは別に子の出生後8週間以内に4週間まで休業を取得できる制度の創設出生後8週間は女性が産後休業中の為、基本的に男性が対象。
休業の申出期限は原則2週間前まで
分割して取得できる回数は2回
労使の締結を前提として、一定の範囲で就労可能

育児休業取得状況の公表義務化
(令和5年4月1日施行)

常時使用する労働者の数が1,001人以上の事業主に対して毎年少なくとも1回、育児休業の取得状況を公表することが義務化
公表する事項:男性の育児休業取得率および育児目的休暇の取得率等(予定)

健康保険法
(令和3年6月11日公布)

現行

改正後

夫婦共同扶養の場合における被扶養者認定について
(令和3年8月1日施行)

年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整している間、その子が無保険状態とならないよう具体的かつ明確な基準を示すために通達が発出

任意継続被保険者制度の保険料や資格喪失についての見直し
(令和4年1月1日施行)

任意継続被保険者の保険料
a:従前(退職直前)の標準報酬月額
b:保険者の全被保険者の平均標準報酬月額の内、どちらか低い方

任意継続被保険者の資格喪失理由
a:任意継続被保険者となった日から2年を経過したとき。(被保険者証に表示されている予定年月日)
b:保険料を納付期日までに納付しなかったとき。(納付期日の翌日)
c:就職して、健康保険、船員保険、共済組合などの被保険者資格を取得したとき。(被保険者資格を取得した日)
d:後期高齢者医療の被保 険者資格を取得したとき。(被保険者資格を取得した日)
e:被保険者が死亡したとき。(死亡した日の翌日)

健保組合が規約に定めた場 合は、bよりaが高い場合はaを算定基礎とすることが可能となる

任意継続被保険者の資格喪失について現行の喪失事由に、「任意継続被保険者が申し出た場合(その申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき)」を追加

傷病手当金の支給期間の通算化
(令和4年1月1日施行)

傷病手当金支給開始日から1年6か月

支給開始日から通算して1年6か月間

育児休業中の保険料免除要件の見直し
(令和4年10月1日施行)

月の月末時点で育児休業をしている場合に、当該月の保険料が免除
賞与についても月の末日が育児休業であれば当該月支給の賞与保険料が免除

育児休業期間に月末を含まない場合でも14日(2週間)以上休業した月について、保険料が免除賞与については、育児休業の取得期間が1カ月を超える場合に限り免除

雇用保険法
(令和3年6月9日公布)

現行

改正後

育児休業給付金のみなし被保険者期間の特例
(令和3年9月1日施行)

育児休業給付金の支給要件は、みなし被保険者期間が休業開始前2年間に12か月以上あることですが、みなし被保険者期間は被保険者が育児休業を開始した日を起点として算定

育児休業開始前2年間に12か月以上の被保険者期間が必要
1か月に11日以上の賃金支払い基礎日数(就労日数)が必要

みなし被保険者期間が12ヵ月に満たない場合においては、令和3年9月1日から以下を起点としてみなし被保険者期間を算定

原則:産前休業を開始した日

例外a:育児休業の申出に係る子について、産前休業を開始する日前に当該子を出生した場合 ⇒当該子を出生した日の翌日

例外b:育児休業の申出に係る子について、産前休業を開 始する日前に当該休業に先行する母性保護のための休業をしたこと⇒当該先行する母性保護のための休業を開始した日

育児休業給付の改正
出生時育児休業給付金の創設
(令和4年10月1日施行)

育児介護休業法改正に伴い、雇用保険法に基づく育児休業給付も改正

育児休業給付の改正育児休業給付の受給回数の改正
(令和4年10月1日施行)

分割取得可能であることを踏まえ2回まで
出生時育児休業を合わせると4回まで可能な場合有

【参考】 令和3年改正法の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000788616.pdf

男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000704768.pdf

開業部会 奥村 広美

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