知って得するお役立ち情報⑤

残暑厳しい折ですが、そろそろ下半期が始まるころとなりました。 本年も社労士業務に関連する法律や制度の改正はいくつかありますが、すでに施行済みの もの、今後施行されるものの中から、5つご案内いたします。


1.【10月〜】雇用保険の失業等給付に係る「給付制限期間」が3カ月→2カ月となる。

2020年10月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2カ月となります。
※参考
https://jsite.mhlw.go.jp/niigata-roudoukyoku/content/contents/1001kyuusei.pdf
失業等給付を受給される皆さまへ



2.【施行済み】離職日が2020年8月1日以降の方

雇用保険の失業等給付の受給資格を得るために必要な被保険者期間の算定方法が変更となりました。
失業等給付の支給に必要な被保険者期間の計算方法に、11日以上賃金支払基礎日数がある月だけでなく、労働時間が80時間以上ある月も1カ月として計算できるようになっています。
※参考
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000642296.pdf
事業主や被保険者・離職者の皆さまへ



3.【施行済み】2020年4月1日施行 労働基準法改正

下記のように、未払賃金が請求できる期間や、記録の保管期間などが延長されました。
①賃金請求権の消滅時効期間2年⇒ 5年(当分の間は3年)
②賃金台帳など記録の保存期間3年⇒ 5年(当分の間は3年)
③付加金の請求期間2年⇒ 5年(当分の間は3年)
これらは、2020年4月1日以降に支払われる賃金から適用となります。
※参考
https://www.mhlw.go.jp/content/000617974.pdf
事業主の皆さま 労働者の皆さま



4.【施行済み】2020年4月1日施行 民法(債権法) 保証人の保護に関する改正

「極度額を定めていない個人の根保証(包括根保証)契約は無効とする」とされました。これにより、入社時の身元保証契約書を見直しされた会社もあるかと思いますが、まだ未着手の会社も多いのではないでしょうか。
入社時の身元保証契約は、従業員が会社に損害を与えた場合に本人と連帯してその賠償を行うという契約(連帯保証)ですので、今後は賠償の極度額(上限額)を定めておかなければならないこととされます。
例えば「月額給与の12カ月分」など、従業員に支払われる給与額を考慮した現実的な上限額を定めておく必要があります。
新しい保証についてのルールは、原則として,施行日より前に締結された保証契約については改正前の民法が適用され,施行日後に締結された保証契約については改正後の新しい民法が適用されます。
※参考
http://www.moj.go.jp/content/001254263.pdf
http://www.moj.go.jp/content/001289629.pdf
民法(債権法)改正 法務省



5.【施行済み】2020年1月1日以降の源泉所得税に関する改正

源泉所得税に関する改正内容のうち、年末調整に影響する4点がポイントです。
これらの改正は、2020年分以後の所得税について適用されます。
従業員への説明のため、会社からの質問が予想されます。

(1)給与所得控除の見直し
・給与所得控除額が一律10万円引き下げ
・給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額を850万円、給与所得控除額の上限額を195万円へそれぞれ引き下げ

(2)基礎控除額等の見直し
・基礎控除額が10万円引き上げ
・合計所得金額が2,400万円を超える居住者については、その合計所得金額に応じて控除額が逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える居住者については基礎控除の適用除外

(3)所得金額調整控除の創設
①その年の給与等の収入金額が850万円を超える従業員で、本人が特別障害者である、
②23歳未満の扶養親族がいる、
③特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる、
のいずれかに該当するものの総所得金額を計算する場合に適用給与等の収入金額(1,000万円を超える場合には1,000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、給与所得の金額から控除 ※年末調整でこの適用を受ける場合、別途「所得金額調整控除申告書」の提出が必要になります。

(4)所得控除等を受けるための扶養親族等の合計所得金額要件等の見直し
・同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件が48万円以下に引き上げ
・源泉控除対象配偶者の合計所得金額要件が95万円以下に引き上げ
・配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額要件が48万円超133万円以下とされ、その控除額の算定の基礎となる配偶者の合計所得金額の区分がそれぞれ10万円引き上げ
・勤労学生の合計所得金額要件が75万円以下に引き上げ
・家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保障額が55万円に引き下げ
※参考
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2019/pdf/01.pdf
税制改正等の内容(国税庁)



千代田支部 開業部会 小島かつら