開業部会発 知って得するお役立ち情報②

副業・兼業のこれから
~働き方の多様化に資するルール整備について~

今回は、令和時代の新しい働き方として、最も注目されている副業・兼業についての最新情報をお伝えいたします。
政府の規制改革推進会議は、令和元年5月10日「働き方の多様化に資するルール整備について」として副業・兼業により複数の職場で働く人等の労働時間管理について議論し、現行制度の見直しをすることとなりました。
今後は、従業員が同日に他社で働いた場合に、労働時間が通算されて残業代が発生するという昭和23年の「厚生労働省労働基準局局長通達」(※)を見直そうという動きがあります。


(※)

労働基準法第 38条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関 する規定の適用については通算する。」と規定されており、「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含む。(労働基準局長通達(昭和23年5月14日基発第769号))


今回の制度見直しの背景として、本通達によると、労働時間の管理・把握が困難になり、兼業・副業の促進を阻害して、労働力の流動化を阻害している等の理由があります。そのため、本通達を改定して、労働時間の通算規定は同一事業主の範囲内でのみ適用し、また主たる事業主は健康確保のための労働時間把握に努めるものとすべき、と制度の再構築を企図しております。

昨今、新聞や月刊社労士【2019年7月号101ページ(NEWS)】等でも副業・兼業に関する最新の情報が随時更新されております。社会保険労務士として、多方面にアンテナを張り巡らせていきましょう。

現在、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が公開されており、会社側と従業員側各々の立場でのメリットと留意点が詳細に書かれております。 また、厚生労働省のモデル就業規則も改定され、副業・兼業を認めるものとなっております。


モデル就業規則(副業・兼業)

第14章 副業・兼業

(副業・兼業)
第68条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
①労務提供上の支障がある場合
②企業秘密が漏洩する場合
③会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④競業により、企業の利益を害する場合


公務員の場合は、国家公務員法の第103条と第104条により、副業・兼業が明文で禁止されていますが、民間企業にそういった法規制はありません。基本的には、就業規則により副業・兼業を禁止しているわけですから、時代のニーズに合わせて変更も必要だと思います。
今後、副業・兼業が認められて、通達も改定されると、これまでの働き方が劇的に変わり、労務管理も大変になります。社会保険労務士の需要もますます高まりますので、正しい知識を習得していきましょう。

(関連資料)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

開業部会 小松 勝